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ギアの紹介とトラブルシューティング事例(その1)

こんにちは。開発部のTです。
前回の投稿からかなり経ってしまいました(-_-;
まあ今後はもう少しだけマメに書こうと思います。(たぶん)

ギア紹介ってなんだろ

と言ってもうちの製品で歯車を使っているわけではありません。「道具」のことです。
著名なランナーとかが「私はこのシューズを使ってます」とかいうやつですね。

ということでこのコーナーでは、なんと弊社で設計しているBMS基板に使っているパーツを取り上げることになりました。
企業秘密じゃないの?という話もあるかもしれませんが、弊社の電池パックの蓋を開ければわかることですからね。。
パーツの紹介とともにそれにまつわるトラブルとその解決事例も紹介していきます。
これを読んだ方のお役に立てれば幸いです。

記念すべき1つ目のパーツは

いきなりメインパーツのAFE(Analog Front End)ICを取り上げます。
これを読んでくださっている方ならわかるかもしれませんが、AFEとは電池電圧などのアナログ値を測定し、デジタル値に変換してくれるICです。
これが無いと始まらない、というわけでもないのですが、これがあるだけでかなり設計が楽になります。

 

弊社でよく使っているAFEは bq769x0(x=2,3,4)ファミリ(Texas Instruments)です。
これを採用している主な理由は以下です。
・直列接続した電池電圧、温度、電流の測定のみならず、充放電制御用のMOSFETゲートドライバも搭載している(ほぼオールインワン)
・LDO内蔵で、マイコンくらいなら駆動できる(40mAくらいまで)
・過電流やショートの検知ディレイをソフトウェア的に調整できる
・価格が比較的安い

 

とまあ良い点ばかり挙げましたが、トラブルもありました(*′―`*)

電池に特に異常が無いのに充放電FETがONしない

ということがありました。
状態を表す”SYS_STAT”レジスタを確認すると、なぜかAFE内部異常フラグ(Bit 5 : DEVICE_XREADY)が立っていたのが原因のようです。
この時は”ALERT”ピンをマイコンに接続して、マイコンからでもアラート状態にできるようにしていましたが、Bit 4 : OVRD_ALERTは0だったので
ALERTピンが外からHighになったわけではなさそうでした。

ALERTピンには1MΩプルダウン抵抗のみ接続 で解決

マイコンからは切り離し、データシートの回路例のように付けていた4700pFセラコンも外しました。
このような回路にしてからは、上記問題は起きていません。

おまけ

ゆるいブログのはずなのに急にマニアックなものになってしまいましたが、いかがでしたでしょうか。
おまけで私のランニングギア紹介(その1)をこっそりしておきます。

トレイルランニングシューズ:S/LAB SENSE 7(SALOMON)イメージ(後継の8)

既に廃盤になっているシューズですが、200gを切る軽さ、アッパーがあまり水を含まない素材なので濡れても重くならない、ソールが薄くてバランスを取りやすいという点が気に入っています。
ただ岩場でのグリップはそこまで良くなく、ソールが薄くイマドキのシューズにありがちな反発性も無いので、ふくらはぎはかなり疲れます。
私の脚力だと40kmくらいまでのショートトレイルレース用です。