お問い合わせ 資料請求

COLUMN

COLUMN

ギアの紹介とトラブルシューティング事例(その2)

お久しぶりです。開発部のTです。
やはりまた前回の投稿からかなりの期間が経ちましたね。。
まあ生暖かく見守ってやってください<(_ _*)>

今回もAFEネタです

はい。今回もTI製のbq769x0 (x=2,3,4) ファミリに関するトラブルシューティングを取り上げます。
これを搭載した電池パックの充放電カーブを測定していたときのことです。

放電カーブが一部フラットなんですが

放電中は時間とともに電圧がだんだん下がっていくはずなのに、ちょっと平らになるところが出てきました。(下図、〇で囲んだところ)
放電カーブ
最初見たときは「これは複数直列の最低電圧セルのカーブだから、途中で最低電圧セルが入れ替わったんだろな」と
思ってたのですが、ちゃんと調べるとそんな入れ替わりは起こってませんでした。

困ったときのTIのサポートフォーラム

そんな時、私がよく活用するのがTIサポートフォーラム(E2E design support forums)
質問にTI社員やTI製のICユーザーが回答してくれるフォーラムです。
時差があるので、日中に質問しておくと次の日には何か回答が入っていることが多いです。

で、フォーラムで検索してみると、同じ悩みを抱えてた人の質問にヒット!
その方は1C放電中に1分くらい電圧フラット状態が続いたとか。

ICの仕様です

その方へはTI社員が回答していました。
“The BQ76930 can show discontinuities in the data as the voltages skew. The errors increase as the cell voltages changes, then the reported value suddenly catches up. This is represented in the discontinuities in the cell VCx error plot figure 2 of 8.7 Typical Characteristics in the data sheet.”
「(Google翻訳)BQ76930では電圧の歪みによりデータに不連続性が生じることがあります。セル電圧が変化すると誤差が増加し、その後、報告値が突然追いつきます。これは、データシートの8.7「標準特性」の図2にあるセルVCx誤差プロットの不連続性に表れています。」
VCx ErrorAcrossInputRange

(bq769x0 データシート(Rev.I) より抜粋)

最新のデータシートでは9.2.3のFigure9-5のようですね。
これを見ると3VくらいでVCx Errorが大きく変化しています。これが原因のようです。

結論として、このICを使う限りは仕方ないということですね。

今回もおまけ付き

私のランニングギア紹介(その2)です。

ランニングベスト(ザック):Rush 11R (PAAGOWORKS)

2023年に発売された比較的歴史の浅いギアですが、トレイルランナーの声をよく聞いて作られた、かなり使い勝手の良いザックです。
ポケットが多くて、走っている最中にも必要なものを取り出しやすいところが気に入っています。
敢えて良くないところと言えば、ソフトフラスクの飲み口付近を固定するループのクランプが少し弱く、トレイルを激しく下ると
ループが緩んでしまうことがある、ということでしょうか。